今朝、フランクフルトから羽田に着きました。
外気温23℃は昨日まで滞在していたドイツの町と
変わりませんが肌に感じる湿度が帰ってきた、
という現実を教えてくれました。

湿度=匂い

同じヨーロッパでもパリとドイツでは大きな
中央駅に漂う匂いが違うように感じます。

雑踏や売店の食べ物が湿度と合わさってその土地の
匂いを作っているのかな、という分析。

パリには甘いパンの匂いが朝の雑踏に交じって、
またドイツには塩気のサンドイッチと
珈琲の香りが活気ある駅構内を印象付けていました。

忘れてしまわないうちにパリの思い出を
『界隈、通り』から綴ってみたいと思います。

率直に言って、パリはいつ行っても毎回新たな発見があるわけではありません。

季節を変えてパリを訪れていますが
朝から半日ないし終日、製菓のレッスンを
受けているので最新のモードに触れる機会を
逃しています。

文豪たちが集ったカフェや斬新なスポット、
人気のビストロやシェフの情報に
興味がないわけではありませんが、暮らすように
旅するスタイルが好きなので
キッチン付きのアパルトマンと学校を
往復するだけで一週間ほど過ごします。

せっかくのパリなのに!と思うかな、
でも明確な目的(会う人、行く場所)が決まっているので体力を必要以上に消耗することなく旅を楽しみ、容易に帰国後の日常生活に
戻っていけるのが一番のメリット。
旅の疲れ、とりわけ精神面の回復は大事ですからね。

こういう旅のスタイルの場合、どこに滞在するか
ホテルかアパルトマン、スチュディオ
(キッチン付きワンルーム)か
とりわけ、どこの界隈(通り)に滞在するかは
優先順位の上位の条件となります。

もしパリを初めて訪れるのであれば空港からの
アクセスが便利なところ、
というだけで滞在先を決めるのはお勧めしません。
きちんとその界隈の事情を調べてから決めるのが
賢明です。

大きな荷物を持っていても楽に移動出来て、
更に治安が良いところが理想ですね。
そして宿泊先の周りで日用品、特に食料品を
まかなえるか、も大事かと思います。
せっかく食の都に来たのなら、活気あるマルシェで
果物やチーズ、ワイン、美味しいパン屋さんで
一食分くらい揃えるのもパリならではの醍醐味。

たいていの方は空港からロワシーバスで市内に
入ると思います。
ロワシーバスの停留所付近、9区のオペラ座界隈には
たくさんホテルがありますが手ごろな三つ星ホテルは
入り組んだ界隈に集中しています。
迷わず歩けば10分もかからないところでも
夕方迷って1時間もかかった!
なんてよく聞く話です。
おまけにオペラ界隈はいつもどこかで工事中
という印象・・・
パリの三つ星ホテルは想像するよりもラグジュアリーではないのが一般的なので
狭くてゴチャゴチャ、かといって賑やかな
マルシェが並ぶわけでもない界隈のホテルは
旅の印象に大きく影響するかもしれません。

目的が明確なビジネスとして来た場合は別です。

不慣れな土地はちょっと贅沢した滞在先を
選んだ方が旅の満足度を上げるでしょう。

ちなみに、パリでは二つ星ホテル以下では
ほとんど部屋にミニ冷蔵庫が設置されていません。
お部屋を予約する際に付属されている設備を
よく確認しましょう!
格安ホテルサイトから予約するとキャンセル料が
即時に発生するのが常です。
キャンセルポリシーを十分に目を通すのも忘れずに!

私は毎回、価格が抑えられた居心地の良い
馴染みのアパルトマンを借りています。

右岸の10区、メトロ5番Jacques Bonsergentで
降りたBoulevard de Magenta(マジェンタ大通り)に立ち並ぶオスマン調建物のアパルトマンを
一時定宿にしていました。

現代のパリの景観を作る建築様式のアパルトマン
での滞在はまるで19世紀のパリに
ちょっとタイムスリップしたかのような
気分も味わうことが出来るでしょう。

最初のころは毎朝、朝陽を待ってカーテンを
開けるのが楽しみでした。
『SAC』のキャリーが初めてパリに来た朝に
そうしたように・・・

Jacques Bonsergent駅界隈はとても賑やかで
東駅やレピュブリック広場まで十分徒歩圏内です。
東駅の近くにはアルザスのお惣菜屋さん『schmid』があります。
たっぷりシュークルートに1,2本のウィンナーを
頼めば女性一人の健康的な夕食になりますよ。

また近頃開発が進むサン・マルタン運河にも近く、
このエリアには軽い食事もとれるカフェが
たくさんあります。

ワインをキーワードに探すのなら、ビオのワインを置くワイン・ビストロ『Le Verre Vole』が
お勧めです。
『Le Verre Vole』は小ぢんまりとした店内で
気軽に一皿からオーダー出来てお肉を食べない方でも
選択の範囲があるメニューです。
ワインの販売もしていますので
好みの味を説明して選んでもらうと良いでしょう。

パリの店員さんは当然ですがワインに詳しいです!
気軽に〇〇風味が好き、なんて言うと
更にそこから深く掘り下げて説明してくれるので
こちらの知識がついていけません。
そんなときは単刀直入に
「今夜〇〇を作るからそれに合うものをお願いします!」
と言えば間違いなくぴったり合うワインを選んでくれますよ。

Jacques Bonsergent駅から近いところい日本人にも大人気の『パン・デジデ』もあります。
この界隈の他のパン屋さんより1.5倍くらい高い!
ように感じますが早朝から列を成すくらいの
人気店です。
パン一個からでもカード払いOK!

パン屋の他、八百屋、果物屋、レバノン料理や
カンボジア、イタリア、ギリシア料理店など

ここで一通りの食文化を体験することも出来ます。

少し歩くとバスティーユ広場やオベルカンフ駅
付近の定期マルシェで新鮮な食材を物色出来る
楽しみもあります。

 

欲を言えば、この界隈のアパルトマンは二人部屋で
あることが多いのでお友達やパートナーと

お部屋を共有するとお財布にも、また感激の共有にもなるかと思います。

 

もちろん日常生活から離れて静かに自分の時間を
楽しみたい方なら

便利な立地のこの界隈を拠点にパリの隅々まで
連日足を運んで楽しめると思います。

 

 

次回は13区、14区のスチュディオ(ワンルーム)
での滞在について綴りたいと思います。